2011年4月5日火曜日

東日本大震災で学んだことBest5

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東北地震・福島原発の事故が発生してから3週間以上の時間が経ちましたが、なかなか事態が収束に向わない。

むしろ国内外で風評被害が拡大している気がします。

原発反対派の活動が慌しく、国民も不安を抱えて生活しているので、政府や東電に対する風当たりは厳しくなっています。


しかし、いま「誰が悪いのか?」って犯人探しや悪かった探しをしても、事態は収束しません。



そんな事は百も承知なんですが、我々一般人が福島原発を復旧できる訳ではないし、放射性物質の流出を止める名案がある訳でもない。

ならば、犯人探しっぽくなってしまうが、なぜこのような事態になったのかを考えて、今後の防災に役立てるべきだと思います。

地震や津波は自然災害なので避けられないんですが、今回の被災から学ぶべきものはシッカリ学んで、今後の防災に備える事も大切です。

そこで今回は、東日本大震災で学んだことBest5をまとめてみました。

筆者が個人的に重要と考える事なので、今回挙げるBest5に自分なりの教訓をプラスして、今後の防災に役立てて欲しいと思います。



想定外の津波が襲来したという嘘!歴史に学ぶべき!!

東京電力は、未曾有の自然災害で今回のような規模の津波は想定外だったと説明したが、コレは間違いなく嘘である。

過去に例のないマグニチュード9.0という地震は想定外だっただろう。

しかし、今回の津波が想定外だったとは考えられない。

なぜならば、東北地方は大昔から巨大津波の被害が記録されている。

江戸時代以前の記録などを調べて津波規模を想定をするのがベストだが、最低でも明治期以降の資料は調べるべきだし、東電も津波の規模を想定する場合には明治以降の津波の資料は調べていると思う。



明治29年の三陸大津波の水位は38メートル、昭和8年の三陸大津波の水位も30メートルと言われている。

今回の津波より大きな津波が観測されている事は間違いない事実だし、津波の規模を想定する時に明治・昭和の三陸大津波の水位を参考にしていないなんて考えられない。

東電の「想定外の津波」という説明は明らかに嘘である。

本当に想定外だったとしたら、そのほうが遥かに問題が大きい。過去の資料を意図的に無視した可能性もある。

三陸大津波の事は、コチラのサイトに画像があるし判り易いと思います。
http://www.bo-sai.co.jp/tunami.htm

しかも、明治三陸大津波伝承碑(画像もある)は、平成10年6月15日の100周年記念事業として建立されている。

10年ほど前の事だし、知らなかったはずは無いのです。

福島原発は、津波の水位を想定5メートルとしている。今回は14メートルの津波で被災しているのだが、明治・昭和の三陸大津波の教訓を活かしていたら、津波の被害に遭う事は無かったはずだ。


初代ドイツ帝国宰相・ビスマルクは「愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ。」と言っているが、福島原発の想定は、全く歴史を無視しており、最悪の想定だったといえる。


歴史を学び、記録に残っている最大水位に安全率を掛けて、津波の規模を想定するべきだったと思う。

記録には38メートルとなっているので、安全率を20%くらいとして最低でも45.6メートルの津波を想定するべきだと思う。

自然災害なので、45メートルを超える津波が襲来する可能性もある。絶対を求めるとキリが無いのだが、過去最大に20%程度を上乗せして想定するべきだと思う。

今回の教訓を活かす意味でも、今後三陸地方で津波を想定する場合、45メートル以上の想定をするべきだと思います。



伝承された事を守る

三陸地方には「てんでんこ(津波てんでんこ)」という言葉があるらしい。
津波の時はてんでんバラバラに逃げろという意味らしい。「例え親子兄弟であっても構ってないで必死で逃げろ!」と伝承されているんですね。

過去に何度も津波の被害に遭っているからこそ、生きるための心得が伝承されている。

先人の教えには理由があるし、語り継がれている以上重要な意味がある事を忘れてはいけない。



危機的状況の時こそ、自分で考え判断する

今回は、携帯メールやTwitterなどで、デマが拡散されて大騒ぎになった。

インターネットは情報を共有(シェア)するためのツールであり、ハイパーリンクなどの機能は、まさに共有化の為のものだ。

よって情報伝達が早い。自分で考え判断する前に一気に拡散してしまう事も多い。そういうツールだからこそ、自分で考え判断する事が大切。最低でも情報ソースを明記していないWEBサイトやBlog、Twitterの呟きなどは一度疑ってみる必要がある。

デマの拡散を止める事は勇気がいる事だと思うが、自分がデマの拡散をストップさせる事は、目立たないけど重要な事だし、被害を最小限に食い止める事になる。ソースを明記していない情報は、まず疑ってみる事を習慣にしたい。そして自分で考え判断するように心掛けたい。



放射線や放射能について学ぶ

今回の福島原発事故は危機的状況なのだが、余りにも情報が錯綜しているし、その事が更に事態を悪化させているように思う。

必要以上に警戒したり、逆に余りにも無頓着なのも問題。

情報が錯綜した原因は、政府や東電の隠蔽体質による被害とも言えるが、今回の枝野官房長官の会見等で、「えっ?この人ホントに理解してるの??」と感じる事があった。

枝野氏は震災発生直後から慌しく活動しており、本当に不眠不休だったと思う。

大変立派な態度だと思うし、枝野氏の行動は賞賛に値する。しかし、人間は寝ないと集中力も低下するし、判断能力も低下する。恐らく不眠不休で、当時の枝野氏の集中力と判断能力は限界を超えて低下していたと思われる。

そこに専門家が専門用語を並び立てて説明しても、細かいところまで理解出来なかったと思う。しかもその事を国民にわかり易く伝えるのが枝野氏の仕事なんだから、上手く伝達出来なかった可能性は高い。

当時の状況で、枝野氏を責める事は誰にも出来ないはずだ。

だからこそ、一人ひとりが放射線や放射性物質について、ある程度の予備知識を持っておくことが重要だと思う。


しかも、避難勧告や警告も、半径20キロメートルとか30キロメートルと指定していた。

しかし、放射性物質が漏れている以上、同心円状の避難勧告は正しいとは言いがたい。

大気中に漏れた放射性物質は風に乗って拡散するし、雨などで地上に降りてくる。そして地上に降りてきた放射性物質は地形に応じて集中し地下水脈や河川によって運ばれる事になる。更に海に流れ込めば海流によって運ばれる。

よって、避難地域が同心円状では正しいとは言えない。(遠くに離れれば離れるだけ、リスクが減少するという意味では、間違いとも言い切れないのだが)

個人個人で学び、ある程度の予備知識を持つ事は重要だと思う。



災害は忘れた頃にやってくるし、備えあれば憂いなし

昔からよく言われている事ですが、災害は忘れた頃にやってくるし、備えあれば憂いなしです。

緊急時の避難場所や集合場所を予め決めておくことも大切だし、非常袋を用意しておく事も重要です。

そして、三陸地方の「てんでんこ」のように、被災した時の心得を正しく伝承する事も重要だと思います。